トレーニングで逆に太くなる?加圧トレーニングダイエットのメカニズム

ダイエットのために運動習慣を始めたという人も多いと思います。加圧トレーニングは、普段運動の習慣がなかった人にはまさに最適なトレーニングと言えると思います。理由として、少ない負担で効果が得られるということが挙げられます。例えば、筋肉が落ちている高齢者にもあまり負担を強いることなく筋力を鍛えることができるので、筋肉量や代謝能力を無理なく鍛え、肥満やそれに関連する病気の予防などに役立ちます。加圧トレーニングを続けていると、筋肉が鍛えられて「太くなる?」と感じる人もいるようです。今回は、体重や体型と筋肉・脂肪の関係と、筋肉とダイエットの関係などについてお話したいと思います。

「筋肉太り」って本当にあるの?

「筋肉太り」という言葉を聞いたことはありますか?

その人の体型に見合った脂肪量・筋肉量であれば、体型は自然と健康的に見えるようになります。「筋肉太りは俗称で、他にも「水太り」や「脂肪太り」と言われる太り方に関する俗称があります。言葉の意味について少し解説したいと思います。

筋肉太りと言われるのは、運動習慣があまりない人でも、下半身に筋肉がついていて筋肉質や太く見える人のことを指すようです。運動を習慣にすると、自然と全身の筋肉が鍛えられてエネルギー消費が増え、体内の脂肪の燃焼効率が上がってすっきりした体型になっていきます。

しかし、運動の習慣にかかわらず下半身が太く、つまもうとすると固くてパンパンになっている人は、筋肉太りの可能性があります。

このような体型は、普段癖になっている体勢が原因の場合があります。例えば、椅子に座ると必ず脚を組む人、カバンや荷物を持つのにどちらか一方の肩や腕を使い続けている人、猫背だと指摘される、または自覚のある人、外反母趾、偏平足、浮き指(足の指が地面に付きにくい)というような場合は、身体の一部に知らず知らずに負荷を与えています。

この負荷の蓄積で、骨格が少しずつ歪んでいきます。骨格の歪みは本来負荷がかからないところに負荷がかかってしまったり、通常以上の負荷を一部分に与え続けたりという状況を作り出します。その結果、ふくらはぎなどの筋肉がカチカチに発達してしまう、というケースです。

しかも、この負荷を軽減するために身体は筋肉や関節の周りに脂肪がつきやすくなります。脂肪が増えると代謝能力が下がり、血行が悪くなったりむくみやすいという結果にもつながります。血行が悪くなると老廃物がたまりやすくなり、老廃物が脂肪細胞と結びついてできるといわれる「セルライト」の原因になることも。足がむくんでいて固いという人は、血行も悪く、冷え性という人も多いのではないでしょうか?まさに、負のスパイラルと呼ぶにふさわしい現象です。

加圧トレーニングは、ボディビルのトレーニングとは違います。身体の一部の筋肉だけを鍛えるトレーニングではないため、足だけ、腕だけがトレーニングで太くなる、ということはありません。

「加圧トレーニングで筋肉が増加して太くなる?」、「体重が増える?」というのは、一時的なものであると思います。

また、もともと上記の筋肉太りの傾向がある人は、骨盤や背骨周り、太ももなどの大きい筋肉のストレッチなどを取り入れることや、行動の癖を意識することでカチカチの筋肉をほぐし、必要な筋肉を鍛えることでこれまで負荷がかかっていた部分への負荷を減らすことで、脚のシルエットが変わっていくと思います。

体質が変わるための準備段階かも?

また、1回のトレーニングの前後でも体重は2キロ前後増減するものですし、代謝などの影響で水分量も変化するので、微妙な体重の増減は必ず起こります。毎日の体重の変化だけに注目していると、増えた日のショックが大きく落ち込んでしまう人もいるかもしれませんが、2週間、1ヶ月、3ヶ月というスパンで考え、なおかつ体重だけでなく体脂肪率、筋肉量の変化も見てみましょう。

トレーニング中の体重変化や筋肉量の増加は、痩せやすい身体になるための準備期間なのです。

体型という視点で見ると、筋肉を鍛えている途中の人は、脂肪を燃やす準備段階と言えます。一時的にその部位に筋肉と脂肪が同居しているので太くなったように見えますが、トレーニングを続けると筋肉が増えた分同じ運動でもエネルギーが消費しやすくなっていきます。ですので、次第に余分な脂肪の方が落ちていくと思います。

体重という視点で見ると、これも初めは脂肪と増えた筋肉が同居しているので重くなりますが、次第に同じ体重でもすっきりとした見た目になります。理由は、脂肪と筋肉の体積に対する重さの違いにあります。

実は、同じ重さでも見た目(体積)は筋肉より脂肪の方が大きいのです。つまり、同じ体型でも筋肉が多い人は体重が重いということになります。逆に、同じ体重でも脂肪が多い人は、見た目が大きく見えるということになります。

こうした自分の体型を把握するのに「BMI」「体脂肪率」が役立ちます。BMIとはボディ・マス・インデックスの略で、体重と身長のバランスから見た目の肥満度を測定するものです。

BMI指数=体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}

BMI指数が17未満は痩せすぎ、17以上20未満は痩せ気味、20以上24未満は標準、24以上は肥満というようにチェックできます。

ただし、BMI指数が低くやせ体型でも、体内の脂肪が多い「かくれ肥満」の人もいます。そこで、この数値に体脂肪率を組み合わせることで、より肥満のチェックの精度を高めることができます。体脂肪率は市販の体組成計や体脂肪系で測定できますが、できるだけ測定時は同じ時間、タイミング(食事、入浴などから経過した時間など)で測定するのがおすすめです。

加圧ダイエットは「太りにくい身体づくり」

加圧トレーニングを取り入れたダイエットは、「太りにくい身体づくり」に役立ちます。

なぜなら、筋肉を鍛えることによって、「基礎代謝」を増やすことができるからです。基礎代謝は呼吸や心臓などあらゆる内臓の活動など、私たちが生命を保つために意識せずに消費しているエネルギーのことです。基礎代謝量は年齢と性別、身長・体重からおおよその量が推定されますが、人によって代謝が良い人、悪い人がいるのは、人によって運動の度合いや食事などの生活習慣が違うからです。

基礎代謝が基準より低い人は、1日の中で自然と消費されるエネルギーが少なくなっているので、痩せにくい身体になっていると言えるでしょう。逆に、基礎代謝を上げることができれば、同じ運動量でも多くのエネルギーを使うので、痩せやすい、太りにくい身体になると言えます。

代謝が上がる鍛え方

そして、基礎代謝を上げるには筋肉の量を増やすことが効果的だと言われています。激しい筋トレでなくても、スクワットなど家でもできるような筋トレの習慣をつけると、徐々に筋肉をつけていくことができます。そして、スクワットで鍛えられる太ももの筋肉は身体の中でも「大きな筋肉」と呼ばれます。

極端な例ですが、二の腕が痩せたいと思って二の腕の筋トレばかりしている人がいるとします。二の腕の筋肉は身体の中でも小さい筋肉なので、ここばかりを鍛えても基礎代謝を上げるには少し効率が悪いです。

なぜなら、体脂肪は「全身で増減する」性質があるので、局部的に落とすことはできないと言われているからです。落ちるときは全身。なので、大きな筋肉を鍛えて言ったほうが、筋肉もつきやすく、エネルギー消費効率がより上がるので、脂肪燃焼には効果的です。逆に小さな筋肉だけを鍛えているとその部分だけがたくましくなってしまう、ということも考えられます。

身体の中の大きな筋肉は、上半身なら大胸筋や腹筋、広背筋など。下半身なら大殿筋、大腿四頭筋、ハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)などが挙げられます。こうした部位を加圧トレーニングで鍛えることによって、効率的に身体の代謝能力を上げていくことができます。また、お腹や背中の筋肉は「体幹」の筋肉と言われています。体幹の筋肉を鍛えることは、自然に良い姿勢を保つことにもつながるため、これまで余計な力がかかっていた部分が解放されて、脚のむくみなどが解消されることもあります。

まとめ

加圧トレーニングでは主に体幹や太ももなど、大きな筋肉を鍛えるトレーニングを行います。これによって普段の代謝量を上げ、太りにくい身体をつくることができます。また、ベルトによる血流制限と除圧を繰り返すので、全身の血流がよくなります。冷え性の人や肩こりなど、血行が悪いために起きているトラブルにも効果があり、代謝力アップにつながります。

体重の増減や見た目も気になるところですが、大切なのは自分の身体に適度な筋肉、脂肪がついてバランスが取れているかということです。適度な筋肉、特に大きな筋肉を鍛えていくことで、いつもと同じ生活でも消費エネルギーを増やすことができ、太りにくい身体になります。ダイエットは健康的に痩せることが一番です。加圧トレーニングは「健康的な美しさ」を目指す人に非常に有効であると思います。