高血圧の人は加圧トレーニングNG?

毎日、血圧計で血圧を測るのを日課にしている方も多いと思います。毎日測っていくと、ご自分の血圧の平均も把握でき、「私は血圧が高めだから運動は無理」と諦めてしまう方もいらっしゃいます。ネットでも、血圧が高い人は加圧トレーニングを行わないほうが良いという意見も見られます。では、本当に血圧が高いと加圧トレーニングは出来ないのでしょうか?こちらでは、高血圧と加圧トレーニングとの関係について探っていきます。ご自分の血圧が高いと感じていらっしゃる方も是非お読みください。

高血圧の判定基準

血圧とは心臓から送られる血液が血管の壁を押す圧力のことを指します。塩分過多、運動不足、暴飲暴食、喫煙などふだんの生活習慣が血圧をあげる原因だと言われています。そして血圧が高い、低いというのは、ご存知の通り血圧の数値によって判断されます。血圧の数値は、病院内で計った場合と自宅で計った場合とで少し違いがあるようですが、一般的に日本では、上が130、下が80を超えると血圧が高いという診断が下され、血圧を下げる降圧剤などが処方されることが多いようです。

しかし、血圧の判断基準は、国によって違いがあることをご存知でしょうか?例えばアメリカでは判断基準が上が150、下が90となっていて、日本よりも上は20、下は10高めに設定されています。そして、驚いたことにこの基準は60歳以上の人にしか適用されません。60歳以下の人は下が90以上であれば60歳以上の人と同じく高血圧と診断されますが、上は科学的な根拠に欠けるとして上限が決まっていないのです。年齢を問わず一律で上と下が決められている日本とは大きな違いがありますね。確かに、加齢とともに血液を送る力は弱まってきますから、20代の人と60代の人とで同じ基準というのは少しおかしい気もします。

日本の高血圧の判断基準は形式的で、少し信ぴょう性に欠けると言わざるを得ません。アメリカのように60歳以下の人は上限が決められていないというのは、さすがに不安を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし血圧が高めの方が降圧剤を飲めば血圧は下がりますから、その状態で血圧を計っても正確な数値が得られないのは当然ですし、年齢によっても血圧の上と下の数値は変わってくるはずです。血圧の診断基準は一律ではなく、年齢や持病など、様々な条件を基準にしてもっと細かく決められるべきなのではないでしょうか?

高血圧の人がやってはいけない理由

次に高血圧の人が加圧トレーニングをやってはいけないと言われている理由についてお話しします。

とある調査結果によると、高血圧の人がトレーニングを行うと、上も下も血圧が上昇したという報告がなされています。運動不足も高血圧の引き金になりますが、トレーニングによっても加圧を解除したとたん血圧が一気に上がってしまうので、やっていはいけないとされているのです。

運動には、有酸素運動と無酸素運動があります。有酸素運動は、軽度の負荷を継続的にかける運動で、水泳、ウォーキング、ジョギング、サイクリングなどが知られています。一方、無酸素運動は強度の負荷を短時間にかける運動で、筋トレや重量挙げ、短距離走などが挙げられます。高血圧の人は、無酸素運動を行うと一気に血圧が上がるため、避けた方が良いと言われています。

では、血圧が高ければ加圧トレーニングは行ってはいけないのでしょうか?答えは、一概には言えません。というのも、加圧トレーニング自体は無酸素運動ですが、軽い負荷をかけるトレーニングであれば問題はありません。しかし圧を強くして瞬発的な運動を何度も行うと血圧が一気に上がってしまう恐れがあるため避けておく方が賢明です。

つまり、トレーニングのメニューによってはやってはいけない運動もありますが、加圧ベルトの負荷を軽くして継続的に運動することには何ら問題はないとされています。無酸素運動と有酸素運動と組み合わせることで、より健康的な血管を取り戻すことが可能とされているのです。

高血圧でも医師の許可があれば出来る?

高血圧の方がトレーニングを行うことについては賛否両論があるようですが、ネットでは賛成意見の方が多いようです。例えば「医師と相談しながら行えばOK」という意見も多く見受けられます。加圧をしながら歩く加圧ウォークを15分間行うと血圧が下がるという報告をしている医師の方もいらっしゃいますし、東京大学のある教授の論文にも、加圧トレーニングが高血圧に有効だという報告がなされています。

加圧をすることで血流が制限された結果、血管がより多くの血液を得ようとして拡張します。そして加圧を解除すると制限されていた血液が一気に流れ出しますが、その際に血管内の老廃物も押し流してくれるのだそうです。トレーニングを続けることによって血管の弾力性が戻り、血管が若返るということです。

またトレーニングの前と後を比較してみると血管が増えていたという報告も挙げられています。血管が増えれば当然、より多くの血液が流れるようになりますから、高血圧の改善につながります。要するに、血管の弾力性を高めるためには適切な加圧運動は効果が高いとされているのです。

また、加圧をすることで血圧が下がった、降圧剤を飲む頻度が減ったというお客さんがいるというスタジオのトレーナーの方のブログも見られます。加圧トレーニングは軽い負荷で行えるため、運動不足の方や女性でも安心して行えるのがメリットの一つですが、運動により脂肪分解が促進される、一酸化窒素が増えて血管が若返るという効果があります。一酸化窒素はNOとも言われ、若々しい血管を取り戻すためには欠かせない物質です。トレーニングを継続的に行うことによって一酸化窒素がより多く生み出され、血管の弾力性が増進されるという訳です。

ただし、知識のないまま自己流でトレーニングを行ってしまうと、逆に血圧がさらに上昇しまう恐れがあり非常に危険ですので、かかりつけの医師とトレーナーと二人三脚で徐々に進めていくのが一番安心だと言えます。トレーニングを始める前に、トレーナーに血圧が高いことを伝えておくのはもちろんですが、もしスタジオ側から医師の診断書や同意書などの提出を求められたら従うことも、ご自身の健康を守るためには大切なことだと言えるでしょう。

また、トレーニングの前後に血圧を計り、少しでも体に異変を感じた場合はすぐに中止するようにしてください。通常の血圧に問題がない方でもその日の体調によって血圧は変化しますから、疲れがたまっている時や寝不足の時などは血圧を計りながらトレーニングをすることをおすすめします。

まとめ

「血圧が高いから、運動できない」と加圧トレーニングをあきらめてしまっている方も、実はトレーニングによって血管が若返る可能性があることをお判りいただけましたでしょうか?加圧トレーニングに限らず、どのような運動も健康増進に良いことは誰でも知っています。しかし、血流を制限するという加圧トレーニングの特長から、様々な誤解や憶測が生まれてしまったのかもしれません。

医師やトレーナーと相談しながら行えば、高血圧の方でも安心して始められる加圧トレーニング。運動不足を実感している方や血圧が気になる方も、これを機に一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?