加圧トレーニングで血栓ができないように気を付けること

加圧トレーニングを行うと、血栓ができやすくなるという話は聞いたことがないという方でも、脳梗塞や心筋梗塞という病名は聞いたことがあると思います。これらはご存知の通り、最悪の場合、命にかかわる恐ろしい病気です。そしてこれらの病気の引き金になっているのが血栓です。本当に、加圧トレーニングをするとそれらの怖い病気にかかりやすくなってしまうのでしょうか?こちらでは、その真偽のほどを探っていきたいと思います。

血栓の怖さ

血栓とは読んで字のごとく、血管内が栓でふさがれたように血管内に血の塊が出来て血管が詰まってしまう状態のことを指します。よく「血液ドロドロ」という言い方をしますが、血液の流れが悪いことも原因になります。ふだんから甘いものや脂っこいものをよく食べる方、運動習慣がない方、喫煙習慣のある方、生活が不規則な方は血液ドロドロの可能性が高いと言われています。また、過度なストレスによっても血液がドロドロになりやすいそうです。

血栓はできる場所によって病名が変わってきます。例えば脳の動脈にできると脳梗塞、心臓の動脈にできると心筋梗塞などを引き起こす恐れがあります。よく聞く「エコノミークラス症候群」は足の動脈にできた血栓が血管の中を通って肺に到達し、肺塞栓症を引き起こすことで起こる病気です。意外なことに認知症や痔も、血栓症が原因と言われています。

次に、それぞれの症状についてご説明します。脳梗塞になると喋りづらい、いわゆるろれつが回らない状態になります。手足のしびれも多くみられます。また、心筋梗塞は胸の激しい痛みや息苦しさを伴います。また、片足が急に痛くなったり腫れてきたりした場合は深部静脈血栓症が疑われます。これらは、何の前触れもなく突然起こるのが特徴です。そして、どれも命にかかわる危険な病気ですので、すぐに病院でCTやMRI検査を受ける必要となります。

治療法は、薬以外にも手術が必要な場合も多くあるようです。さらに、糖尿病の方や高脂血症の方は、血管が傷つきやすい状態になっていると言われますので、注意が必要です。

血栓が出来る理由

ご存知の通り加圧トレーニングは足や腕の血流を加圧ベルトで一時的に制限した状態でトレーニングを行います。血流が制限されると、血管内が虚血状態に陥ります。そして加圧を緩めるとそれまで制限されていた血液が一気に流れ出します。これを「再還流」と言いますが、その際に大量の活性酸素が流れ、血管を傷つける恐れがあると言われているようです。

私たちの体は良く出来たもので、傷つけられた血管は自動的に修復されるようになっていますが、加齢によって次第に修復力が弱まってきます。傷ついた血管が元に戻りにくくなることによって、血栓ができやすくなると言われています。

ただし、加圧トレーニングとの関係については諸説あり、医療業界でも意見が分かれているようです。加圧トレーニングをダイエットが必要な方に勧めたいかというアンケートには、およそ7割の医師が勧めたくないと答えたという調査結果がある一方で、トレーニングで血栓症が起こるリスクは少ないし、逆に血流が改善されるという調査結果もありますので、正直なところ真偽のほどは、まだよく分かっていません。

また、当然のことながら、トレーニングを行ったすべての人の体にダメージが起きるのではないということも付け加えておきます。

血栓のリスクを回避するには

では、リスクを防ぐにはどうすればよいのでしょうか?最後にリスク回避のポイントをご説明します。まず大切なのは、必ず加圧トレーニングの知識が豊富な専属のトレーナーのもとでトレーニングを行うことです。トレーナーにご自分に最適な負荷を決めてもらい、回数や時間を守ってトレーニングすることで血栓のリスクが回避できます。

また、トレーニングに必要な加圧ベルトも様々な物がネットで販売されていますが、こちらもトレーナーに選んでもらう方が安全です。ご自分に合わない加圧ベルトは健康を害する恐れもあることを心に留め、安いからといって安易に購入することは避けたいものです。

また、スタジオ選びにも注意が必要かもしれません。多くのスタジオでは加圧トレーニングの専門家が常駐していますが、中にはスポーツクラブの延長のような感覚でトレーニングを行っているところもあるかもしれません。それ自体は別にいけないことではありませんが、専門家ではないトレーナーに指導してもらうのはリスク大です。ですから、スタジオを選ぶ際には口コミなども参考に、複数のスタジオを比較検討していくことが必要と言えるでしょう。また、いくつかのスタジオに無料体験を申し込み、トレーナーの技量を見分ける必要もあるかもしれません。

さらに、ふだんの生活の見直しも非常に重要です。肉食ばかりという方は魚や野菜を多くとるようなひと工夫が必要ですし、ストレス過多の方はストレスをうまく発散できる方法がないか探すことも必要でしょう。喫煙や飲酒もできればやめるか頻度を低くすることが大切です。また、睡眠時間もなるべく毎日一定に保てるように心がけましょう。

そして、加圧トレーニングに限らず、どのようなスポーツを始める場合も既往症はないか、血圧が高くないかなどをきちんと把握してから行うように心がけましょう。健康に不安がある方や既往症がある方は、必ず医師に相談してからトレーニングを始めるようにご注意ください。また、健康な人であっても寝不足だったり疲れていたりする日は当然体調が今一つですから、「私は健康だから、ちょっとぐらい無理しても大丈夫。」などとご自分の健康を過信し過ぎないことも大切です。

また、ふだんスポーツをする習慣がない方は、一度に様々なトレーニングを行うと筋肉を傷めてしまう恐れがあるので、トレーナーとゆとりのあるスケジュールを立てるようにしましょう。体調不良などの理由で一回ぐらいお休みしてしまっても、加圧トレーニングは効果が長く持続しますから、あまり神経質になる必要はありません。

そして、もしもトレーニング中に気分が悪くなったり、動悸が激しくなって胸が苦しくなってきたりするなどの体調異変を感じたら、すぐに中止するようにしてください。「自分の健康には自分で責任を持つ」という意識を持つことで、1つ1つのトレーニングの方法や効果について正しく理解し、より効果的なトレーニングを行えるようになるでしょう。

まとめ

加圧トレーニング創始者と言われている佐藤氏は、「トレーニング法というからには安全でなければならない」という信念のもと、試行錯誤を繰り返し、現在のトレーニング法を確立したそうです。そして、佐藤氏は自己流の加圧トレーニングは効果があるどころか逆に危険性が高いと警鐘を鳴らしています。また、国内トップレベルの大学病院の付属センターでも、トレーニングの研究が行われているそうです。今後も、ダイエット効果やアンチエイジング効果以外の加圧トレーニング効果が発表されるかもしれませんね。

あなたのニーズに合ったスタジオが見つかり、安全で効果的なトレーニングが出来るようにお祈りしています。