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加圧トレーニングによる筋肉への効果

たるんだ身体を鍛えて筋肉をつけたいけれどキツイ運動は苦手、そんな人におすすめなのが加圧トレーニングです。週に一度加圧ベルトを腕や脚に巻き付けて20分ほどトレーニングをしていれば、気がつくとあっと驚く引き締まったボディが誕生!短時間でも効果は抜群、しかも身体の内部から健康になれる美味しいことだらけのトレーニングです。思い立ったら吉日、今すぐ始めて誰もがうらやむ理想の身体を手に入れましょう!

加圧トレーニングのしくみ

加圧トレーニングは血流を適切な状態で制限して行う運動方法で、効率良く高い効果が得られるトレーニングとして近年注目されています。専用の加圧ベルトを腕や脚の付け根に装着し、適切な圧をかけながらトレーニングを行っていきます。

加圧の際に、動脈側を適度に静脈側は強めに制限するよう設定します。すると腕や脚に血液がたくさん溜まり、普段ほとんど使われることのない毛細血管にも血液が行き渡ります。さらにトレーニングを続けていくと、筋繊維の動く割合が上がるうえに締め付けによる酸素不足で血液中の乳酸が急激に増えていきます。すると乳酸が筋肉を刺激し、その刺激が脳に届くと脳下垂体から成長ホルモンを分泌させる指令が送られます。圧を解除すると数百倍に増えた成長ホルモンが体脂肪を燃やし、遊離脂肪酸として血液中に放出します。それに加えて成長ホルモンは体内のいたるところに巡り、身体のいろいろな働きに影響を与えます。

加圧トレーニングを継続的に行うと、まず血行が良くなります。太い動脈と静脈が両方通っている腕と足の付け根への加圧と除圧を繰り返すうちに、毛細血管の数が増えるからです。また、血管の健康状態を維持する血管内皮細胞が柔らかくなって血管に弾力性が出るのもメリットです。これはトレーニングによって血管壁の調子を整える一酸化窒素が血管内皮細胞から分泌されるようになって細胞が若返るからです。さらに成長ホルモンと一緒に、インスリンを代表とするアナボリックホルモンや気持ちを高揚させるアドレナリンが分泌されるという効果もあります。

加圧トレーニングで筋肉はどう変わるのか

加圧トレーニングが筋力アップに効果的なのはすでに知られていることですが、トレーニングが具体的にはどのように筋肉に影響を及ぼしていくのか確認していきましょう。

まず、筋肉には速筋と遅筋の二種類があります。速筋は瞬発的な収縮ができるという特徴を持っていて、大きな力が必要な運動をするときや無酸素運動で主に使われています。肥大しやすいという性質を持っていますので、筋肉を大きくしたかったり強い力をつけたかったりするときには速筋を鍛えることになります。対して遅筋は持続的な収縮ができるのが特徴で、持久力が必要な運動や有酸素運動で使われます。こちらは肥大化しにくいので、引き締まった筋肉が欲しいとか持久力をアップさせたい場合に鍛えます。

速筋を鍛えるには重い負荷をかけたトレーニングが必要で、逆に遅筋は軽めのトレーニングを長時間続けなければならず、普通は速筋と遅筋を同時に鍛えるのは不可能です。しかしこれを可能にするのが加圧トレーニングの大きなメリットです。トレーニングを始めると加圧によって血流量が不足しますので、先に動き始めた遅筋の酸素も不足します。

この状態は速筋を鍛えるために必要な負荷の大きな運動を行っているのと同じで、これによって速筋に大きな負荷がかかったと脳が錯覚を起こし、速筋に活動指令を送ります。そして指令を受け取った速筋が通常よりも早く活動を始めるため、結果的に速筋と遅筋を同時に鍛えられるという仕組みになっています。

筋肉以外の身体への効果

加圧トレーニングで期待される最大の効果は、何といっても成長ホルモンの大量分泌です。成長ホルモンは身長を伸ばすのを助けるホルモンとして一般的に知られていますが、そのほかにも身体のいたるところにさまざまな影響を与えています。そもそも成長ホルモンは、年齢を重ねるうちに分泌量がだんだん減少していきます。しかし加圧してトレーニングすれば、何歳になっても成長ホルモンをたくさん分泌させることができます。

成長ホルモンが身体に働きかける作用としては、まず体脂肪の分解が挙げられます。身体に蓄積された体脂肪は、血液中の脂肪よりも燃焼に時間がかかります。これは、運動すると先に血液中の脂肪をエネルギーとして使ってから体脂肪を使うからです。ところが成長ホルモンが分泌されると、体脂肪に直接働きかけて分解したものを血液中に送り込むため、早くエネルギーとして使われることになります。ダイエット目的でトレーニングを始める人にとっては、何よりうれしい作用です。

また成長ホルモンには、肌の調子を整える作用もあります。皮膚の表皮部分は四層構造になっていて、このうち一番下にある基底層の中にある胚芽細胞が分裂すると一番上の角質層に押し上げられ、それまであった層が不要物として剥がれ落ちる仕組みになっています。古い細胞から新しい細胞へと生まれ変わっていく一連の流れはターンオーバーと呼ばれ、この周期に乱れがあるとさまざまな肌トラブルを引き起こします。

成長ホルモンは分泌時にターンオーバー開始の合図を送り、それをきっかけに肌が新しい細胞を作り出して若々しい美しい肌が誕生します。さらに合図を送るだけではなく、ヒアルロン酸やコラーゲンなど美肌成分の分泌も行っていますので、アンチエイジング目的でトレーニングを行う人の強い味方です。

加圧トレーニングを行う上でのポイント

加圧トレーニングは正しい方法で行わないと、血管や筋肉を損傷させてしまうおそれがあります。加圧についての専門知識を有するトレーナーから指導を受けて、完全に身につくまでは必ずトレーナーの指示に従いながらトレーニングを行ってください。

まず気をつけてほしいのは、加圧には専用の加圧ベルトを使用するという点です。タオルやゴムチューブなどで代用すると適正な圧がかからず非常に危険ですので、専用ベルトのみを装着しましょう。ベルトは腕と脚の付け根にそれぞれ装着しますが、これらを同時に巻くと負荷がかかりすぎますので別々に使用してください。またベルトを素肌に直接巻くとかぶれてしまうことがありますので、ウェアの上から着けるのが望ましいです。ベルトの圧の設定は身体への負担が不安ですので、自分で判断せずにトレーナーにお任せしましょう。

トレーニング内容については、まずトレーニング時間をきちんと守ってください。一回につき10分から20分あれば効果が表れますので、欲張って長時間行って身体にダメージを与えることのないようにしましょう。トレーニングとトレーニングの間隔は数日取ってください。早く結果を出したいからといって毎日行うと、身体を壊してしまう場合があります。ダンベルなどの補助器具を使用するときには、トレーナーから教わった通りに使うようにしてください。ダンベルを重くしたり必要のないメニューで使用したりするのは避けましょう。

まとめ

加圧トレーニングは効率良く筋肉を鍛えるのに最適なばかりではなく、身体全ての健康をサポートする極めて優れた運動方法です。特に成長ホルモンを一度に大量分泌させることが可能なトレーニングは、ほかにはなかなかありません。

ただし加圧ベルトの使用方法やトレーニング内容は、専門のトレーナーの助言を守らないと身体に危険が及びます。効果が高い分リスクもあるのだということを忘れず、正しい方法でトレーニングを行い理想の身体を作りましょう。